車いすでも凛と
ボランティアで忙しくて、ブログを一日さぼってしまいました…
ところで、私の今のボランティア先は、身障者になった人が多いです。
さぞかし精神的にダメージがあるのではないか、と思っていました。
ない方がおかしいです。
しかし、今のところ、あまり泣いていたり、悲しんでいたりする人は見ない。
先日は1人の女性の部屋を訪れました。
世間話をしていて、彼女はいきなり、凛として
「人生でこういうことはあるものなの。手足を失ってしまうような、思いがけないことは、人生のうちで起こりえるものなのよ」
と、しっかり私の目を見て、私に説明するように言いました。
まるで、どこかのお寺の住職さんが、お説教の中で伝えるように。
それを、そのまま、自分を説得するために、私に折り返したような、そんなトーンで。
私は、それを聞いて、胸が詰まってしまって。
その女性は、私の母が亡くなったのと同じ年でした。
その女性はおそらく、今の年齢から、10年は生きるとして
私の母は、10年。生きたかったと思う。
不便な思いをしても、寂しい思いをしても、
痛くて苦しい思いではないのなら、
10年で、孫の成長を見ることができて、もしかしたら結婚するのも見ることができたかもしれない。
うちの母は、孫の中学校の制服も見ることができなかった。
そんなことを伝えたいようにも思ったけど、余計なおせっかいのようにも思えて
そして、凛としているその女性を、経験の浅い私が無駄に不必要なことを話して刺激したくもなく
そうですね、と、
ただ彼女の発言を尊重して、うなずいて、その場は離れました。
でもその後、彼女が車いすに移動することや、排泄するのを手助けしていると
なんだか彼女の尊厳を邪魔してしまっているようで、少々こわばってしまいます。
ずっと尊厳を持っている患者さん。受け入れて、凛としている患者さん。
言葉で説明する能力が低くて非常にもどかしくて、こんな稚拙な言葉でしか言えないのが情けないけど、
彼女たちから、ボランティアをして、本当に、いろいろ学ばせてもらっています。