みにくいおひめさま
子どものころに、こんな本をもらいました。
AMAZONの評価を見ると、かなりよいようです。
高慢なお姫様が、心が美しくなる様をあらわした、素晴らしい本だと。
うん。
そうね。
そうかもしれません。
ただね~~~
私、子どものころに、
この本を
おっさんからもらったんですよね。
すごく上から、得意げに、
非常に満足げな顔で
「これで、美しくなるようにな」みたいなセリフを言われたような気もしますね。
私は、しらけて というか 呆けて、
ああ、ふうん、
そういう意味ですか と。
つまり、
私が不細工だから、
この本を読んで
少しでもきれいになるように、
希望を持つように
そう言いたいんだろうな、と。
そして、
私の美醜を改善するために貢献したから
いいことをした、と
そう思ってるわけだよな、と。
今なら言える。
ゲスですよね~~~
私、にこりともしなかったことだけ、覚えています。
それでも、その本に少しすがるような気持ちを持って、読み込んでしまいました。
本の内容は、
美しくないと評判のお姫様を
美しくするようにと
王様がお触れを出します。
そして、とある普通のお母さんが、「おかわいそうな、器量の悪いお姫様」を助けてあげよう、と名乗り出ます。
私の娘たちは、みんな美しいから、と。
そして、一緒に生活していくと
みにくい高慢なお姫様は
謙虚な心を覚えて
美しくなり、
めでたしめでたし。
へえええええええええ
器量が悪いと、かわいそうで
器量がよくなると、みんな幸せなんですな~~~~。
ひでぇな(;^ω^)
それでもやっぱり、
私は、こんな本を送られてしまうくらい醜いのだから
少しでもきれいになれればと
ぶさいくなのは不幸なことなのだから
修正せねばと
お話の中に出てくるマフィンを焼いたり
縫物をしたり
髪を毎日100回ブラッシングしているから
髪の毛はさらさらに輝いている という描写を読んで、
100回数えてブラッシングをして
髪が逆に切れてしまったり
いろいろ、考えた本でした。
読むたびに、非常に落胆したのを覚えています。
でも、
大人になって、
ぶさいくでいることよりも
卑屈でいることの方が
ずっと問題だと
そんなに美人じゃなくても
いつも機嫌がよく
楽しい人が
子どもたちにもなつかれるのだと
そんなことをようやく理解し始めた30代。
そして、以前の職場で、懐かしの絵本の話をしていた時
「子どもの時に『みにくいおひめさま』という本をもらったんですよ。
ぶさいくな姫が、きれいになるというお話で~~~( ・´ー・`)」と言ったら
そこにいた全員が、エッΣ(゚Д゚) と固まって、
「そ、それ、いややな(◎_◎;)」
「なんか、ひどくないですか?(゚Д゚;)」
と、言ってくれました。
そんなつもりで言ったんじゃなかったんですけどね(;^ω^)
明るく、さらっと
軽く出した話だったんですが
みんな、敏感に反応してくれました。
私、こういう人たちがいる職場にいて、本当によかったと思います。
私は
「みにくいおひめさま」をあげなければと思われてしまうくらい
器量はよくないのかもしれませんが
いい人たちに囲まれて、楽しく暮らしてるから、
これでいいかなと思うんです\(^o^)/